サン都市計画社長・森口公晴のブログ

日本の責任

この度の世界金融恐慌発生の最大の責任は米国にあり、世界の投資銀行であることは、衆目の一致しているところです。しかし、昨年後半の世界金融恐慌が世界同時不況に発展し、今正に世界恐慌へと向かわんとしていますが、各国の金融当局が一向に思い切った政策が打てずにいる原因(ジレンマ)は何かといえば、それは巨額の財政出動や通貨の供給を行って他国通貨に対する自国通貨の暴落=金利上昇へと発展することを恐れているからだと思います。

戦前のドイツにおける極端なインフレ(ハイパーインフレ)は有名ですが、当時世界中が一斉にハイパーインフレになったわけではありません。ハイパーインフレは信任を失った国の通貨が暴落することによって起こる台風(低気圧)のようなものです。台風は局地的だからこそ猛威を振るうのであり、世界中が台風になることはあり得ないのです。将来、世界経済が回復し緩やかなインフレに向かえば、自ずと各国当局は中立政策に転換し、政策金利を調整することになります。

現在、世界の貨幣の中で一番高見にいる円・日本が思い切った財政出動や貨幣の供給、減税、投資を行い、世界経済の牽引役を担うべきです。結果として円高の恩恵を日本国民に還元すべき時です。そうすれば他国も日本に続くことが出来ます。日本が思い切った行動に出ない限り、世界中のどの国もインフレを恐れて思い切った政策が打てません。(無理に打って出た国の通貨は暴落し売り込まれハイパーインフレになる恐れがあります。)そうすると世界経済は縮小し、保護主義化し、世界恐慌は現実のものとなってしまいます。日本政府や日銀は巨額の財政赤字を言い訳けにして思い切った行動をためらっていますが、日本国債を買っているのは世界一の貯蓄高を誇る日本国民であって、米国債のように他国(中国や日本)に依存している訳ではありません。

アメリカはしびれを切らして、クリントン国務長官が来日します。おそらく、日本がやるべき行動をアメリカが代わりにやるから、その分米国債を買えと言いに来るのでしょう。そしておそらく日本政府は同意する可能性が大です。日本政府・日銀はいつまで米国の女房役になっていれば気が済むのでしょうか。子供(日本国民)には満足なご飯も食べさせずに、博打(投機)に明け暮れる浪費家の夫(アメリカ)に、懲りずに貢ぐ妻を演じ続けることで、長い目で見れば子供も夫も強いては世界中の国民が不幸になるかもしれないのです。日本政府・日銀もそろそろ思い切った責任のある行動をとるべき時期が来ていると思います。
2009.2.13


WordPress Themes