サン都市計画社長・森口公晴のブログ

平成21年地価公示について

平成21年1月1日時点の地価公示価格が国土交通省より発表になりました。

内容は新聞各紙に記載されているとおりですが、ポイントは以下の通りです。

1.三大都市圏は地方圏を上回る下落を示した。

2.三大都市圏・地方ブロック中心都市はここ数年高い上昇率を示した地点ほど大きな下落率を示した。

3.下落の主な要因は景気の悪化、新規分譲マンションの販売不振、資金調達環境の悪化を背景とした土地需要の減退、オフィスの空室率の上昇、賃料下落等による収益力の低下。

4.<住宅地>東京都区部年率平均▲8.3%(前年+10.4%)、区部南西部年率平均▲10.1%(前年+10.6%)、港区、渋谷区の下落幅は特に大きく、面積が大きく総額が張る地点は下落幅が大きかった。

5.<商業地>東京都区部年率平均▲8.1%(前年+17.3%)、特に港区は前年+20%以上を記録したが、全ての地点で二桁の下落率を記録。一方、大手町、丸の内、銀座等の高度商業地は比較的下落幅が小さい。

6.都心8区の平成20年前半と後半で下落の程度は住宅地で4:6、商業地で1:9(但し渋谷区については5:5)と年後半の下落の程度が大きい。

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以上の結果を総括しますと、平成4年から14年間毎年下落し続けた地価は、景気回復と過剰流動性により一昨年までの2年間上昇しましたが、昨年より今日までで上昇分が剥げ落ちかけている状況です。長期トレンドでは下落基調は変わっていないようです。これは、日本の産業構造や人口減等の構造的な問題だと思います。政府に今後の構造改革、少子化対策等の政策のすみやかな実行を期待したいと思います。

この度の不況の影響を真っ先に受けたネット関係、アパレル、サービス業、中小企業等が多く集まる渋谷・恵比寿・港区は賃料の下落が早かったため、地価の下落も早く起こりました。この度の不況の影響は大企業にも及んでいますので、大手町等の高度商業地も今後調整を余儀なくされるはずです。地価は地域的な影響がタイムラグ(波及効果の遅れ等)をもって反映される特徴があります。

2009.3.23


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