サン都市計画社長・森口公晴のブログ

新年明けましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
年頭にあたりまして、日本の経済と不動産の動向について考えているところを申し上げます。
リーマンショック後の4年に及ぶ円高デフレによって、日本経済は空洞化が進行し、非正規雇用は増大し、地域経済は衰退しました。また東日本大震災の艱難辛苦も経験しました。
そして昨年末自由民主党の圧勝をうけて、日銀に対する緩和期待から年初1ドル90円、日経平均11000円が見えてきました。それでもリーマンショック前の2007年末時点では1ドル110円、日経平均15000円を超えていましたので円高株安には変わりありません。
ちなみにNYダウは現在13412ドルで2007年末時点の値を超えています。
日銀はリーマンショック後2度にわたる緩和のチャンスを逃してきました。1度目はリーマンショック後の1年間、もう一度は東日本大震災から1年間です。共に世界各国に対して緩和の説明が出来る機会と思われました。しかし日銀は本気で動こうとはしませんでした。その間FRBやECBやイングランド銀行は大規模緩和によってバランスシートを2~3倍に増やしています。
今日世界各国の関心は大規模緩和による世界的なインフレ懸念から債務の整理と失業対策に移ってきています。緩やかなインフレが歓迎される時代に入ってきました。日銀はリーマンショック後の世界の金融秩序の維持という通貨のアンカー役を終え、逆に世界の足かせにならないように錨を上げるよう各国各方面より要請されているものと思われます。
(社)日本不動産鑑定協会編「世界地価等調査結果」による、「東京を基準とした主な都市の住宅価格の推移(為替レートによる)」を見ると、ロンドン、フランクフルト、ニューヨーク、サンフランシスコ、パリの2000年~2011年の間の地価の上昇率が戸建住宅地で1.5倍~2倍、集合住宅地で2倍~3倍となっています。アジアの住宅価格の上昇の勢いはさらに大きいものがあります。ちなみに東京はその間1~2割下落しています。
日本のリート株や大手不動産株は昨年後半より円高・デフレの解消期待に伴うキャピタルゲインを狙った買いが入っており、現在、昨年前半の安値の倍近い値がついています。
今後、ユーロ危機の拡大やアメリカの債務削減交渉が破断に終わったり、戦争や政変が勃発したりして債務の整理を一方的に行うようなコンセンサスが芽生えたり、再度世界的なインフレ懸念が起こらなければ、今年は日本経済は底入れすると共に不動産の価格も都心部より緩やかに上昇していくものと考えています。
2013.1.3