サン都市計画社長・森口公晴のブログ

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

今年も皆様の役に立つよう社員一同精一杯努力して参りたいと思っております。

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さて、昨年後半は未曾有の金融恐慌・世界同時不況に突入してしまいました。

このことを今までの景気循環の一環として捉えるのか、経済社会のパラダイムの変化と捉えるべきかを自分なりに考えてみたいと思います。

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仮に景気循環として捉えるのであれば、数年の間に信用は回復して、銀行の貸し出しも増え、株価や不動産価格も底を打ち、市場全体にお金が循環するようになるはずです。しかし、そのためにはリーマンショック以降全世界で崩壊した信用が回復されなければなりません。しかし、信用は本当に回復するのでしょうか。

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このたびの信用バブルを支えた「情報化」といったキーワードについて考えてみます。この20年間、世界的な情報技術の発達、ネット化によって市場も進化していくという理解が常識でした。マスコミや各国政府、各種格付機関、国際会計機関も「市場の情報化=発展」を期待し、後押ししてきました。

しかし、私たちが市場に期待してきた公平性、均一性、正確性、同時性等は確保されてきたでしょうか。逆に「情報化」の誤謬に陥ってはいないでしょうか。

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一例を挙げれば、各金融機関が中核的自己資本の数百倍もの企業保証をしていたという事実。サブプライム問題やCDS問題がもっと早く公に提起されていれば被害がここまで拡大しなかったでしょう現在の各国政府の対応は金融機関への流動性を高め、通貨や株式の買い支えに奔走し、会計基準については時価主義の一時凍結等緩和の方向です。つまり情報化(情報公開)に対しては逆行しています。

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情報は発信者によって容易に操作され、選別され、受信者を選び、色づけられます。これらのことが情報技術の発達によって以前より容易になってしまいました。結果的に市場の情報化とは公平でなく、均一でなく、正確でなく、同時ではない。そのことがこの度の信用バブルの崩壊によって明らかになったと思います。これからの時代は、情報が個人の行動を支配するのではなく、個人が行動を決定する時代に変わっていくと思います。

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不動産について考えてみます。

不動産は2つとして同じものが存在しないため、元来市場が存在せず、相対取引が中心でした。不動産も証券市場で取引出来るようにと均一性、正確性、流動性を期待され、リートはじめとした証券化商品が誕生し、結果的にこの度のバブルを助長してしまいました。しかし、今後は証券化商品に対する需要はしだいに縮小していくものと思われます。不動産の価値、必要性をしっかりと認識した投資主体が相対で取引する時代に。?

徒然になってしまいましたが本年も不動産に関するあらゆるご相談に応じて参ります。どうぞ宜しくお願い致します。

2009.1.1