サン都市計画社長・森口公晴のブログ

区分所有家屋の敷地の減免制度(固定資産税・都市計画税)について

貸ビルのオーナーさんにとっては厳しい時代が続いています。
昨今賃料が上がることが無いにもかかわらず、固定資産税・都市計画税(公租公課)の納付は減ることはなく、所得税・住民税、社会保険料は増える一方です。また、借入金元金・利息の返済は待ったなしです。
特に事務所・店舗ビルを運営している個人オーナーさんにとっては、土地の公租公課が重くのしかかっています。渋谷区代々木八幡・上原周辺で100坪の土地に貸ビルを建てられている場合、土地だけで年間200万円以上の税金を納めているのが現状です。
一般に住宅の敷地の用に供されている土地については、公租公課の算定上一般住宅用地・小規模住宅用地の軽減措置が講じられ、結果的に税額が3分の1、6分 の1に軽減されます。事務所・店舗併用住宅ビルの場合、居住部分の割合が全体の4分の1以上であれば軽減を受けることができます。しかし、貸ビルの一部を 住まいとされているオーナーさんで居住部分が全体の4分の1に満たない場合、土地全部が非居住用の扱いを受けてしまいます。
この様な矛盾を少しでも解消しようとする制度が「区分所有家屋の敷地の減免制度」です。
東京23区にある土地に限られますが、例えば100坪の土地に5階建てのビルを建てて5階部分(仮に20%)を住宅として住まい、1階~4階まで(仮に 80%)を店舗・事務所として賃貸しているとします。現在土地全体が非居住用地として仮に200万円の公租公課が課税されているとします。
このような方の場合、建物が区分登記されていれば、必要な書類を添えて都税事務所へ区分所有家屋の敷地の減免申請をすれば、翌期以降、住宅部分については 3分の2(仮に13%)の税額が減免されるはずです。結果的に年間26万円程度の減額になりますが、今後数十年のことを考えますと大きな金額です。
減免制度の申請をするために新たに建物の区分登記をされる場合には、一定の要件と手順、費用がかかりますが、該当するオーナーさんには検討の余地があります。
昨今の円高・デフレのもと、消費税が上がるとさらに厳しさが増すことも考えられますが、さまざまな方法を駆使して防衛していきたいと思います。
2012.9.4

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